春風が吹いたら

2019年1月27日
今年は人生で一番最悪な誕生日だと思った。

ワナワンが解散した。
Beautiful part Ⅱを歌いながら泣き崩れる11人を泣き崩れながら見た。
公演後、隣の席のオタクが携帯の電源をつけて言った。

「嵐が活動休止だって」


永遠は無い。
それでも、彼らは自分たちのことを永遠だと言う。
でも彼らはもういない。
それから毎日泣きながら起きた。


2019年12月11日
PRODUCE101 JAPAN ファイナル。
何故か当たって行けることになった幕張。
2人が離れることになって泣きまくった幕張。
私の推し2人はデビュー出来ることになったけど、こんなグループ好きになれるのかなあと、順位の席に着く11人を目の前で見て戸惑った幕張。
そしてこれが、コロナが蔓延する前に行けた、最後の現場だった。


2020年3月18日
横浜に引っ越した。
はじめての一人暮らしはコロナと共に始まった。
私が東京の会社を選んだ理由は他でも無い、
趣味を充実させるため。
コンサート、舞台、行きまくってやる。
そのために働くんだ、と決めていた。
私はアイドルのために生きるのだと思っていた。
自分も、そして周りの人達も。


2020年5月16日
初めて好きになったアイドルの誕生日。
そして、こっちへきて初めてのコンサートの日。
でも、コロナで中止になった。


2021年10月6日
新宿ピカデリーoasis knebworth 1996を観た。
ライブから朝帰りしたファンが、Rock 'n' Roll Starを歌いながら、早朝の街を余韻に浸りながらフラフラと歩いてるシーンで終わった。
大学生の頃はライブ行って夜行バスで帰って早朝について、疲労感と満足感を抱きながら帰路に着いていたことを思い出した。


2021年11月20日
JO1のコンサートへ行った。
JO1が結成されたあの幕張へ。


あれから、ちゃんと彼らを見ていた。
一生懸命チームを作っていく姿を見て大好きになった。
こんな世界なのに、頂点を目指して練習を重ねる姿を見て腐らず頑張れた。


あの日、一般人だった彼らは、誰がどう見たって立派なアイドルになってステージに立っていた。


彼らが最後に歌った曲は「REAL」。
彼らはこの瞬間のことを、「This is no dream, so real!」と歌ったのだ。
これは夢じゃない。現実だよ。
コロナが蔓延してから初めての現場だった。


2021年12月11日
Wanna Oneがまた集まってステージをした。

あの頃のワナワンもいたけど、全てはあの頃のままじゃなかった。
それがとても寂しくて、でもとても誇らしかった。

 

 

経堂で親友に別れを告げて

新宿から夜行バスに乗って帰る。

早朝、名古屋に着いて

駅近のデニーズで朝ご飯を食べる。

名鉄で最寄へ帰る。

大きなキャリーバッグを転がして、

セットリストを口ずさむ。

家に着いてシャワーを浴びる、

セットリストを口ずさむ。

自分の布団にもぐる。

セットリストを口ずさむ。

昼まで眠る。


すごく疲れた。
でも、すごく楽しかった。

 


「朝が来る音に目覚める
君のための祈りが夜明けが
街を照らす懐かしい夢のように一つに」


この歌詞が好きなのは、まるでコンサートから帰ってきた早朝みたいな気持ちになるから。


2022年1月27日
あの日から3年。トラウマだったBeautifulがこんな綺麗な形で昇華されるなんて思ってもなかった。
Wanna Oneに新曲が追加されるなんて思ってもなかった。
新しいMVが出るなんて思ってもなかった。
「워너원 캄바」って文字を見るなんて思ってもなかった。

人生で最高の誕生日プレゼントになったよ。


あの日「終わりが来るって分かってて愛してくれてありがとう」って言ったね。


でもWanna Oneに終わりなんてなかったね。
あの日、絶対永遠のものなんてないと思った。
でも、昔も、今も、これからもあなたたちを愛し続けるよ。
これを永遠と言わず、何を永遠と言うのだろう。

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