私と美術館

私が初めて美術館へ行ったのは5歳の時。

ワイルドスミスという絵本作家の展示会が地元の美術館で開催された。

おじいちゃんが電車とバスを乗り継いで連れて行ってくれた。

そして絵本をたくさん買ってくれた。

その美術館にあったパイプオルガンを見て、子供ながらにその不動のオーラに魅了された。

 

それが私と美術館の出会いだった。

 

私は遅くに生まれた孫だから、おじいちゃんにとって小さい孫を連れての長い移動はしんどかっただろうに、どこからか絵本展開催の情報を聞きつけ、私が喜ぶと思って美術館に連れて行ってくれた、そのことを考えるだけでも涙が出てしまう。

おじいちゃんが私を想って連れて行ってくれたあの日は、18年経った今でも心の中で大切な思い出として残っているし、今の私を作る一部になっている。

 

 

その後、14歳の時、お姉ちゃんとお母さんと同じ美術館で開催されたシャガール展に行った。

本当はお姉ちゃんとお母さんの二人だけで行くつもりだったらしいけど、美術の教科書に載っていたシャガールの絵がとても好きだったので、私も着いて行った。

美術館でしっかり絵を見るのは生まれて初めてだった。

「愛」が詰まっている絵を見る時間は本当に楽しかった。

ポストカードを2枚購入して、そのカードを手に余韻に浸りながら帰りの国道の景色を眺めていた。

あのポストカードはまだ大切にとってある。

 

それから大学生になり、就活で東京に通う日々が始まった。自己表現が苦手な私にとって面接は苦行そのものだったけど、面接と面接の間に美術館に行くことでリフレッシュしていた。

22歳になり、就職と共に神奈川に引っ越した。

しかしそれと同時にコロナが流行ってしまった。

それからしばらくは自粛していたので美術館はあまり行けなかったけれど、少し落ち着いた今年は美術館やギャラリーに沢山出向いた。

 

インプットの時間だけなら人より多かったかもしれない。これからは見たもの感じたものを自分の形でアウトプットするのが目標。

 

 

絵、音楽、演劇、本…

私は文化が好きだ。

文化のあるところに人は集まる。

人が集まる空間が好きだ。

しかしこの2年、この国はその文化を粗末に扱った。

ショックだった。

文化を作る人、文化を守る人、文化を愛す人を大切にしないと、きっと国は終わる。

傷つけた分、これからは大切にしていかないといけない。

 

私の地元の美術館で働く方の書く漫画

ミュージアムの女」面白いので是非🐈